遊離端欠損義歯の遠心側が浮く原因

 こんにちは、自費義歯専門歯科技工所ルーファスデンタルの早澤です。
 今日はいつもお世話になっている先生から「両側遊離端欠損の浮き上がりを抑えたいんだけど、ワイヤーと鋳造どっちが良いの?」と質問をいただいたので「遊離端欠損義歯の遠心側が浮く原因」について考えてみようと思います。

その原因とは?

 日々の診療の中で遊離端欠損義歯をセットした時に、義歯の遠心側がパカパカ浮き上がってしまうことはありませんか?
 この浮き上がりは義歯の製作方法に原因があって、クラスプの素材が「ワイヤー or 鋳造?]であることとはあまり関係がありません。
 その製作方法の原因とは、ルーファスデンタルのブログによく出てくる「把持ポイント」がしっかりと確保できていないことにあります。

紙コップを持ち上げる

 以前のブログでもお話ししたように、紙コップの縁を掴んで持ち上げるためには適切な位置に指を配置しなければなりません。
 おそらく、紙コップを持ち上げるときには3、4本の指が自然と適切に配置されていると思います。
 ルーファスデンタルでは、この適切に配置された指の位置を「把持ポイント」と呼んでます。

遊離端欠損義歯の把持ポイント

 4本の指であれば安定して紙コップを持ち上げられるように、この2本の鉤歯に4つの把持ポイントを配置することで拮抗関係が成立して、維持力確保と義歯遠心側の浮き上がりを抑えることが可能になります。
 義歯の遠心側が浮き上がってしまう原因は、この緑の把持ポイントが的確に設置されていないことにあります。
 それは紙コップを2本の指で持ち上げようとしていることと同じで、クラスプは維持部のみでは維持力を確保することができず、義歯遠心側の浮き上がりも抑えることができません。。
 


 今日は先生にいただいた質問から「遊離端欠損義歯の遠心側が浮く原因」について考えてみました。
 遊離端義歯遠心側の浮き上がりの原因は把持ポイントの確保不足なので、しっかりと把持ポイントを確保したうえで鉤歯の条件に合わせてクラスプの素材を選択するのが良いと思います。


ルーファスデンタルでは角度計を用いた維持装置の製作実習会を開催しています。


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