右側大臼歯頬側のアンダーカットが少なかったケース

 こんにちは、自費義歯専門歯科技工所ルーファスデンタルの早澤です。
 今日は「右側大臼歯頬側のアンダーカットが少なかったケース」の設計方法を紹介します。

診査

 今回の両側遊離端欠損義歯では、右側大臼歯頬側のアンダーカットが少なく、左右2本の鉤歯群での内側性把持では十分な維持力を確保できないことが予想されるケースでした。
 


鉤歯群

 左右2本の鉤歯を鉤歯群として適切な位置に把持ポイントを配置します。


把持ポイント

 画像のように右6番頬側のアンダーカットが少ないため、左右2本の鉤歯での内側性把持ではなく、最初に右6番舌側のアンダーカットを活かした単独鉤歯での維持力を確保しました。
 単独鉤歯で維持力が確保できると頬側にアンダーカットがあることと同じ状態になるので、その状態の6番と左4番とで内側性把持状態が成立すると考えています。


設計プラン

 把持ポイントをベースにして義歯全体での維持装置の設計プランを考えます。
 緑線がサベイライン、黒線がクラスプライン、赤線がテーパーラインの位置です。

設計線

 右6番舌側のアンダーカットを活かすためには、頬側の矢印部分のサベイラインで拮抗させる必要があります。
 この部分を逃すと、義歯の着脱方向が左方向に偏ってしまうため、十分な維持力を確保するためにはとても大事なポイントです。


 今日は「右側大臼歯頬側のアンダーカットが少なかったケース」で、鉤歯群と単独鉤歯による把持ポイントの組み合わせで維持力を確保するための設計方法を紹介しました。


 ルーファスデンタルでは角度計を用いた維持装置の製作実習会を開催しています。


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